木を見て森を見ず。あなたの視線の先にあるものは?

2021年9月19日

ご興味を持っていただきありがとうございます。孤高のファイナンシャルプランナーX(エックス)です。今回のお題は『木を見て森を見ず』です。

コンサルティングの現場では、次のような質問がよく起こります。


「Xさん、住宅ローンは変動金利と固定金利、どちらがいいですか?」
「Xさん、毎月赤字なのですが、家計をチェックしてアドバイスいただけますか?」


ご心配、ご不安はとても良くわかります。
でも、そのことで私がクライアントの方に答えを出すことはありません。
というのも、私とのご相談の後には、クライアントご自身で判断できるようになるからです。

今回は、あなた自身が答えを出せるように、考えていただきたいことがある、というお話です。
少しの間、例え話にお付き合いください。

木を見て森を見ず(きをみてもりをみず)

小さいことに心を奪われて、全体を見通さないことのたとえ。

goo辞書より
https://dictionary.goo.ne.jp/word/木を見て森を見ず/


Source:Free-Photos,PixBay

あなたは今、木漏れ日がわずかに差し込む緑深い森に迷い込み、歩いています。
お一人で、あるいは大切な方と一緒に。
初めて訪れる森です。どこまで続いているのかも全くわかりません。
迷い込んでから今日でかれこれ3日経ちました。
毎日聞こえるのは鳥のさえずり、動物たちの鳴き声、風の音、そしてあなたの足音だけ。
太陽も木々の葉に遮られてよく見えません。
今日はどこまで進もうか。一体この森の出口はどこか。そんなことを考えながらお腹も空いてきました。
幸い手元の食料はまだ少し余裕があり、あと1週間くらいは持ちそうです。
でも、周りを見渡せば、樹齢何百年もするであろう大木ばかり。
根も大きく乗り越えるのも一苦労です。
今日もこの根っこをあといくつ越えればいいのだろう。
その先のことを考えると、あなたはこの食料を今日も食べてしまって良いのか迷っています。

さあ、あなたならこの食料をどうしますか?

食料を節約しながら、1日でも長く食べられるようにしますか?
でも、毎日が空腹気味になるし、それでもいつかは食料が尽きてしまいます。


食べられる木の実や、川を探して魚をとりますか?
でも、木の実の知識はなく、川がどこにあるかわかりません。


歩きやすそうな道を探して一刻も早く森を抜けますか?
でも、その道の先がどこに続いているのかわかりません。


いかがですか?なんとも言えず答えにくい、あるいは考えにくい質問ですよね。
当たり前です。なぜなら判断するには情報が少なすぎるからです。
(一生懸命に考えていただいた方、本当にごめんなさい。)

でも鋭い読者の皆さんの中には、こう思った方もいらっしゃるかもしれません。



「その森はどんな森で、地図とかないの?」


そう、まさに手元の食料のことばかりにとらわれて、森全体を見渡せていないですよね。



ここで大切なのは、「残りの食料をどう食べるか」ではなく、


『この森全体はどんな森なのか』


ということです。
では、森の全体像さえわかれば、万事解決でしょうか?
残念ながら、それだけでは解決は不可能です。

もう一つ、大切なことが足りません。なんだと思いますか?


そうです。もう一つ大切なのは、



『今あなたはその森のどこにいるのか』



あなたの現在位置を知ることです。いくら森の全体像が分かっても、今の自分がその森のどこにいるのか、わからないことには進みようがありません。

この2つが揃って初めて残りの食料の1日の配分がわかるのです。


「そんなこと言ったって、周りは巨木だらけで見渡すことなんてできないよ」
はい、その通りです。
では、今あなたの脇をドローンを持った森林ガイドが通りかかったとしたらどうでしょう?
あなたが森林ガイドに尋ねます。「すみません、そのドローンを飛ばしてもらってもいいですか?」
森林ガイドが答えます。「ええ、もちろんいいですよ。」
その森林ガイドと一緒に木の上から森を見渡してみましょう。


ドローンからの映像を見たあなたはこう思います。
「なんだ、この先まだまだ緑深いと思ったら、もう森の端っこじゃないか」
「この道の先は崖で行き止まりだな」
「しばらく進めばひらけた綺麗な湖がある!そこで一休みしよう。魚もとれるかも」

ファイナンシャルプランナーの仕事とは、その森林ガイドのようなものです。
森の中をあなたと一緒に歩き、時々ドローンを飛ばして見渡してみる。進む道はどこにするか。
食料はどうやって調達するか。その先には何があるか。
何かあるとしたら避けるのか、越えるのか。越えるならどうやって越えようか。


でも、一番大切なのは、その見渡した森の先であなたがどこに向かいたいか、ということです。
つまり、行き先を決めるのは森林ガイドではなく、あなたなのです。
森林ガイドとはいえ、森を完璧に知り尽くしているわけではないかもしれません。
でも、進む道を探り、その時に取りうる対策をあなたとともに考えてくれます。


「湖のほとりで暮らしたい」「あの山のてっぺんが見晴らしよさそうだ」


それを決めるのはあなた自身です。

あなたの好きなように決められたら、ウキウキしてきませんか?(笑)

Source:Jonáš Sanislo,Pixabay

最初の話に戻ります。
住宅ローンの金利で悩む前に、考えていただきたいことがあります。
家計のチェックをする前に、考えていただきたいことがあります。

あなたのこの世にたった一つの人生の地図はどんな地図ですか?
あなたは、今その地図のどこにいるのですか?

あなたは、その地図のどこに向かいたいのですか?


地図がなければ、一緒に地図を作りましょう。
現在位置がわからなければ、一緒に調べましょう。
どこに向かいたいかは・・・あなたが決めてください(笑)

Source:StockSnap,Pixabay




住宅ローンや家計のチェックと人生の地図、一体何の関係があるの?という方は、
どなたか信頼できるFPに尋ねてみてください。
きちんと学んでいるFPならばその理由を「体験」させてくれるはずです。
※この「体験」というところが重要です。



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今回も最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

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