ファイナンシャルプランナーと税理士の違い。あなたがお金の相談先で迷ったとき

2021年9月19日

ご興味を持っていただきありがとうございます。孤高のファイナンシャルプランナーX(エックス)です。
今回のお題は「FPと税理士の違い」です。私の独断と偏見も含めて、両者の違いを掘り下げてみたいと思います。
このテーマは様々なサイトやブログなどでも紹介されていますが、今回は私なりの切り口でお届けしようと思います。
両者の違いを理解することで、あなたが相談に迷った時にどうすれば良いか、参考になれば嬉しいです。

Source: Gerd Altmann, Pixabay

同じ"お金のプロ"として、何が違うのか?

両者とも「お金のプロ」としてあなたもよく耳にする職業だと思います。では、この両者の違いはなんでしょうか?


私は職業柄、他のFPの方や税理士の方にお目にかかる機会も多いのですが、私の経験上ではズバリ、



ファイナンシャルプランナーは「未来会計」のプロ
税理士は「過去会計」のプロ




と言えるのではないかと考えています。
言い換えればFPは事前対応のプロ、税理士は事後対応のプロとも表現できるかもしれません。
これはどちらかの優劣をつけるものではなく、それぞれの業務の違いから起こるものだとお考えください。
このことは実際の試験の出題範囲や、独占できる業務などからも読み取れます。

出題範囲や独占できる業務から見えてくる両者の違い


それぞれの出題範囲と独占できる業務について考えてみましょう。細かいことは割愛しますが、大まかに整理すると以下の通りです。

FPの出題範囲はファイナンシャル・プランニング技能士2級を例に取ると、

<学科試験>
ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6分野からまんべんなく出題されます。

<実技試験>
資産設計提案業務(これはモデルケースとなる事例の資産設計を実際に作り、分析・提案する試験です)

そして、資格取得のためには学科・実技ともに合格しなければなりません。

これに対して、税理士の出題範囲は次の通りです。

<必須科目>
簿記論、財務諸表論 2科目どちらも合格しなければなりません。

<選択必須科目>
所得税法、法人税法 とちらか1科目を合格しなければなりません。

<選択科目>
相続税法、消費税法・酒税法のどちらか、国税徴収法、住民税・事業税のどちらか、固定資産税
この7科目(5区分)の中から2科目合格しなければなりません。

なお、それぞれの業務に与えられた独占業務は、FPには独占業務がなく、税理士は税務代理(本人に代わって税の申告ができる)、税務書類の作成(本人に代わって申告書等を作成できる)、税務相談(個別の事案に対して税務の相談ができる)の3つが認められています。



以上のことから見えてくることを整理してみましょう。



<FP>

独占業務がない代わりに、広い分野を横断的に相談できるスキルを持つ。
ただし、他の資格の独占業務などとの関わりから、相談内容は一般的な回答に留まる
出題範囲からもわかる通り、現状を把握し、そこから起こりうる将来への計算が得意
業務は現在から未来への注意点・改善点などのアドバイスが中心(=未来会計)


<税理士>
税に関する法律を学ぶことで、税額の計算や税務の書類作成などに詳しい税金のプロ
独占業務(実際の納税額の計算や税務書類の作成など)は起きた結果に対しての注意点などのアドバイスが中心
税務以外のお金の相談(資産運用、保険、不動産など)は専門外
税金は未来の予測に課税されるのではなく、あくまでも結果に対して課税されるので、過去からの実績に基づく計算が得意(=過去会計)

ということになるかと思います。
今回は私なりに時間軸を切り口にして考えてみましたが、同じ「お金のプロ」でも随分と大きな違いがありますね。
他の切り口では、一言にお金の相談といっても相談できる分野で違いがあったりもします。
わかりやすくお伝えするために、私はご相談にみえる方には、病気を診てもらうお医者さんに例えてお話をしています。

Source: jennycepeda, Pixabay

FPはまず最初に相談する「かかりつけ医」、税理士は税金の相談をする「専門医」

あなたも体調が悪いとき、どの病気かわからなければ、まずはかかりつけのお医者さんに行くと思います。かかりつけのドクターは、普段からあなたを診てくれていますので、既往歴やアレルギーの有無など、あなたの体質をよく知っています。問診の結果、軽い病気であればその場で診断してお薬を処方してもらえることもあるでしょう。

でも、より深刻な病気が疑われる場合、精密検査や手術なども必要になるかもしれません。その場合は、より詳しく対応できる専門医に紹介してもらえます。そしてあなたは適切な治療を受けることができます。



FPと税理士の関係もそれに近いものがあるかもしれません。普段のお金の相談はFPへ。あなたの家計の特徴や注意すべきポイントはあなたの担当FPがよく知っています。その結果、より専門的な手続きや相談が必要になれば、それぞれの専門家へ紹介してもらいましょう。
相談内容が税金のことなら税理士へ、法律で困れば弁護士へ、生命保険会社や不動産会社へのネットワークなどなど。FPは問題点を把握し、どの専門家へ橋渡しをすれば良いか交通整理してくれます。



そんな専門家ネットワークの中心に存在するのがFPであり、それこそがFPの大切な役割なのです。
私もそんな専門家の仲間とともに仕事をしています。そんな仲間たちを「チームX」と私は勝手に名付けています(笑)
それぞれが専門分野で力になってもらえる頼もしいチームメイトです。
欧米では「安心して生きていくために医者、弁護士、FPの友人を持つことが大切」と言われているようです。 



「誰にでもかかりつけの医者・かかりつけの弁護士・かかりつけのFPがいる時代へ。」
私もそんな時代がくれば、社会から不安が少しずつ減るのではないかと考えています。

あなたがお金の相談で迷った時は、どうすれば良いかイメージがつかめましたか?
この記事があなたのお役に立てば幸いです。

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今回も最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

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