「どうやるべきか」と「どうあるべきか」。私が実際に体験した、たった一文字の違いが生んだ衝撃の結末!

2021年9月19日

ご興味を持っていただきありがとうございます。孤高のファイナンシャルプランナーX(エックス)です。
今回のお題は「どうやるべきか」と「どうあるべきか」です。
ビジネスセミナーや企業研修の世界などでも時々耳にすることがあると思います。
違いはたったの一文字。でもその一文字の違いが将来大きな違いになるかもしれない、という考え方なのですが、今回のケースは私の実体験に基づく、本当に起こったお話です。

少し前の話になります。私の学生時代の就職活動についてです。今でも時々思い出す、とても印象的だった出来事です。

当時はインターネットという便利なものはなく、就職活動といえば、まずは志望する会社の人事部に手紙を送ったり電話をかけて、紙の会社資料を郵送で取り寄せ(それが今で言うエントリーの代わり)、その後、会社説明会あるいはOB訪問(と称する実態は面接試験)に臨む、という方法が一般的でした。

私はいくつかの業界を志望し、そのうちある業界の最大手の会社から売り上げ規模順に片っ端から面接試験を受けていました。
そこで、最終的にその業界では最大手の会社と業界2位の会社の二つに絞ることにしました。その面接の過程でのお話です。

面接のスタンス

最大手の会社(以下A社とします)は、一次面接から三次面接まで社員の方は全てオフィスカジュアル。
当時はクールビズなんて言葉はなく、面接といえばネクタイにスーツ、の時代でしたのでとても斬新でした。
また、学生にもスーツでなくても構わないという指示で、実際にカジュアルで面接を受けている学生もいたほどです。
私はといえば、そうは言っても実際にカジュアルで行けるほどの私服のセンスの自信もなく、また一日で複数社を受ける場合などには着替えるのも面倒なので、ずっとスーツで通していました。

Photo by Ruthson Zimmerman on Unsplash



A社の面接の様子は、集団面接や、マンツーマンなど面接のスタイルの違いがあったものの、終始にこやかな雰囲気で、聞かれることは毎回、学生時代にしてきたこと、A社に入社したらやりたいこと、その理由、の3点のみ。
逆に学生からA社への質問時間の方が長いくらい、時間を割いて仕事について話してもらえました。
社会人経験のない学生の私から見ても、「やはり最大手は違うな」と思える社員の方の会社への自信、お客様への愛着が伝わってきたのを今でも良く覚えています。
こんな人たちと一緒に働きたい、自然とそう思える会社でした。

それと同じ時期に業界2位の会社(以下B社とします)も面接が進んでいました。計算していたのかはわかりませんが、日程はA社の面接が進むその少し後にB社の面接も進む、というスケジュールでした。
業界2位ですから、B社も誰もが聞いたことのある有名な会社です。私も当然、A社以外の候補としても有力に考えていました。


B社の面接の様子は、いわゆる「圧迫面接」。それももう、「わざと言ってますよね?」と即座に思えるくらい強烈な圧迫面接でした。
そんな面接が毎回続くので、私も心の中では「ここまでわかりやすいからきっと演技なんだろうな、今回はどんな感じの圧迫の演出なんだろう?」と半ば人間観察のような感覚を持っていました。
個人的には、世の中には圧迫面接をする会社もあるだろうと思っていたので、面接の手法の一つとして否定はしません。
ですので、演出で意地悪なことを言われたとしてもそれがB社を敬遠する理由にもならず、業界2位ですし、次のステップに進めばまた面接を受けていました。



そのB社の面接の形は、A社と同様、集団面接やマンツーマンのスタイルでした。聞かれることは学生時代にしてきたこと、志望動機の2点。圧迫面接ですから、志望動機を言えば、「ウチは入社したらメチャクチャ厳しいけど、キミは耐えられるの?」とか、「どうせ他の会社でも同じこと言ってるんでしょ?」という感じで、学生の切り返しを試している様子でした。私は「大丈夫です!御社が第一志望です!笑顔と気合で頑張ります!」的な言葉で乗り切っていた記憶があります(笑)。

未来を変えた質問


そこまでは「これは圧迫面接なんだ」として理解していたのですが、実は、そのほかにA社の面接官には一度も質問されなくて、逆にB社では毎回必ず質問されていたことがあったのです。今思えば、そのわずかな質問に込められた意味こそが両社の未来を大きく変えることになったのだろうな、と考えています。

それは、毎回B社の面接の最後に投げかけられる

『キミはA社は受けてる? 今どこまで面接進んでいるの?』

という質問だったのです。
私は直感的に思いました。「これは入社したら四六時中、A社の動向ばかり気にしながら仕事をすることになるぞ」と。


さて、その後A社とB社はそれぞれどのような道をたどったのでしょうか?
A社はコロナ禍で売上こそ落ちましたが、今でも業界最大手として君臨しています。
B社はどうでしょうか?
なんとその後、10数年後に経営が傾き、会社を解散・清算することになってしまったのです!
業界2位の大企業がある日を境に消滅してしまうんですから、まさに衝撃でした。

Source: Joselito Hernandez, Pixabay

何が運命を分けたのか?

この2社の運命を分けたものは何だったのでしょうか。
ここからは私の想像です。


A社が大切にしているのは「どうあるべきか」なのではないかと思っています。
業界最大手として、社会にどんな価値を提供する会社なのか。
お客様の立場に立つと、どんな会社であるべきか。
そのためには、どのような商品ならお客様へ価値を還元できるか。

そんなことを考えながら経営しているのかもしれません。

B社はどうでしょう。
もしかするとA社を気にするあまり「どうするべきか」に意識が偏ってしまったのかもしれません。
A社の売上に追いつくには、何をすればいいのか。
A社の商品に対抗するにはどうするか。
A社より安売りすれば勝てる。

そんなことだったかもしれません。

現実では「やり方」「あり方」どちらも大切だと思います。
要は両方の順序とバランスが大切なのではないでしょうか。
「方法・ノウハウ」=「やり方」だけでも短期的には乗り切れるでしょう。
でも、それだけをいくら続けてもライバルが生み出す新しい価値を超えられることはなく、それどころかますますライバルの「本質・真価」=「あり方」を踏まえた上での「やり方」との差が開いてしまうのです。


あなたの「真価」はなんでしょうか?


私も、結果に悩む時こそ順序とバランスを大切にしたいと思います。

ちなみに・・・

私の就職活動の最終結果は、A社もB社もお断りし、さらに別の会社に入社することになるのでした・・・
(オイ!どちらにも入社しなかったのかよ!笑)



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今回も最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。



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